会社の設立時に社名をどうするかを思い悩む体験は、起業のタイミングならでは。ただ、会社名の正式名称にあたる「商号」の決定に際しては、いくつかの注意点も存在します。
本記事では、起業の準備中、あるいは先々の起業を考えている方に向けて、失敗しない決め方や順守すべき法的なルール、その他の注意点などを解説します。
1. 商号(会社名)とは?
商号とは会社名の正式名称であり、法人を識別するために使われるものです。会社を設立する際には必ず定めなければならず、名刺やホームページはもとより、税金申告やさまざまな契約書の作成など、重要な公的な場面で使用されます。もちろん、一定の法的ルールさえ守れば、自由に付けることが可能です。
2. 商号の決め方とその実例
他社と重複していないことが大前提にはなりますが、商号は自社のポリシーやビジョンを名称に含めるのはもちろん、印象度の高さをねらったビビッドなものにするなど、基本的には自由に決められます。ただし、将来的に海外進出をイメージしている場合は、該当のエリアでなじみやすい名称なのかも慎重に検討しましょう。以下にいくつかのヒントを挙げておきます。
5Iの法則
元々は広告効果アップのために考案された指標である「5Iの法則」は、商号決定の際にも有効活用できます。以下の5項目について考慮することで、訴求力の高い商号の決定がよりスムーズになります。
・Impact(インパクト)
・Interest(興味)
・Information(情報)
・Impression(印象)
・Idea(アイデア)
有名企業のネーミングの実例
世界的な著名企業も、企業のビジョンや事業のポリシーなどを社名に託しています。
企業名 |
詳 細 |
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Amazon(アマゾン)
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世界で最も大きい川であるアマゾン川が由来。世界最大のオンライン書店を目指すという意味と、当時はネット検索でアルファベット順に並べた際に上位に来るため、この商号に。 |
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Google (グーグル)
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数字の「1の後に0が100個」続く単位「googol(グーゴル)」が由来。「オンライン上の膨大な情報を整理する」という意味が込められている。最終決定した「Google」は、「googol(グーゴル)」のスペルミスから。 |
| NIKE(ナイキ) | ギリシャ神話に登場する、勝利の女神「ニケ」が由来。 |
3. 商号を決める際の重要ルール
商号を決める際には、細かな法的ルールが定められており、以下の点に注意する必要があります。
留意事項 |
詳 細 |
| 既存の商号との重複を避ける | すでに登録されている商号は使用できません。類似した商号にした場合、他社の商標権を侵害しているとみなされるリスクがあるため、重複を避けるため、事前に法務局で商号調査を行うことが強く推奨されます。 |
| 会社の種類を必ず含める | 「株式会社」や「合同会社」といった会社の種類は、商号に含めることが必須です。 |
| 部門を示す用語は使用不可 | 「支店」「支社」「出張所」「事業部」など、会社組織の一部を指す用語を商号に含むことは不可となります。 |
| 使用可能な文字について | 日本国内での法人登記に当たり、アルファベットやローマ数字以外の外国語の文字は使用できません。 |
4. 設立後の商号変更について
会社設立後に商号を変えたくなった場合、法務局にて定款と登記内容の変更手続きを行うことで変更はもちろん可能です。しかし、留意しておきたいのは、商号の変更に際して、株主への通知(プレスリリース)、取引先への連絡、ドメインの変更手続きなども含めたWebサイトの更新、全社員の名刺の再度の作成などの付帯業務が発生すること。商号変更の手続きそのものに難しさはありませんが、さまざまな手間とコストがかかることも考慮に入れ、実行に当たっては慎重にスケジューリングを行うことをおすすめします。
5. まとめ
商号は会社の顔であり、今後の事業の展開を共にする大切な存在です。共に働くスタッフが誇らしく思え、お取引先、お客さまからは親しまれる商号が望ましいでしょう。策定に当たっては関連法規にも留意しながら、貴社のビジョンや事業のポリシーなども鑑み、ベストな商号を模索しましょう。
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