登記簿謄本(とうきぼとうほん)は、会社の信頼性を証明するうえで欠かせない公的文書です。これは、会社の基本情報が記載された「登記簿」の内容をすべて書き写したものを指します。
現在、紙の登記簿はコンピューター化され磁気ディスクの形で管理されているため、登記簿謄本を取得しようとすると、その役割を果たす「登記事項証明書」が交付されます。この2つはほぼ同じ効力を持つため、登記事項証明書を取得すれば問題ありません。
1. 登記簿謄本 に記載される情報と必要性
記載される会社の基本情報
登記簿謄本(登記事項証明書)には、一般的な株式会社の場合、以下のように会社に関する重要な情報が記載されています。
- 商号(会社名)
- 本店(会社の所在地)
- 資本金の額
- 役員の名前
- 発行可能株式総数
- 発行済株式の総数並びに種類及び数(例:発行済株式の総数〇〇〇株)
登記簿謄本 が必要となる主な場面
この書類は、主に会社としての信用性が求められる場面で提出が必要です。 具体的な例としては、以下のようなケースが挙げられます。
- 会社が銀行口座を開設する際
- 銀行などからお金を借りる際(融資申請)
- 補助金や助成金を申請する際
- 建設業や宅地建物取引業などの許可申請をする際
- 競合他社の情報を知る目的
類似書類との違い
登記簿謄本と似た名称の書類がありますが、以下の通り、役割が異なります。
| 類似書類 | 登記簿謄本との違い |
| 抄本(しょうほん) | 「一部を抜き出す」という意味で、登記情報の一部だけが記されたものです。 |
| 登記事項要約書 | 限られた会社の情報しか掲載されず、証明書としては使えません。また、その会社を管轄する法務局でしか取得できないという点も、登記事項証明書とは異なります。 |
2. 登記事項証明書の4つの種類
登記簿謄本の役割を担う登記事項証明書には、記載内容や使用用途に応じて主に4種類があります。
| 書類名 | 詳 細 |
| 履歴事項証明書 | 現在の情報に加えて、閉鎖されていない登記記録について、請求日現在で効力を有する事項と、請求日の3年前の日の属する年の1月1日以降に抹消された事項等が記載されています。役員交代や目的変更などで抹消された事項もすべて含まれており、どの証明書を取得するか迷った場合に選ぶのが無難です。 |
| 現在事項証明書 | 請求日時点で有効な情報のみが掲載された書類です。履歴事項証明書とは異なり、過去に抹消された事項は載っていません。 |
| 閉鎖事項証明書 | 本店移転や清算結了(会社が消滅)などで閉鎖された登記情報について知りたい場合に取得します。 |
| 代表者事項証明書 | 会社の代表権を持っている人物について証明する資料であり、資格証明書として使用できます。 |
3. 登記簿謄本 (登記事項証明書)の取得方法と費用
登記簿謄本は、会社を管轄している法務局でなくても交付してもらえます。
取得方法
法務局の窓口にて申請
直接出向くことで、その場で取得でき、申請書の記入方法などを職員に尋ねることも可能です。
法務局から郵送にて取り寄せ
申請書や収入印紙、返信用封筒などを同封して郵送する方法です。自宅などで受け取れますが、取得までに時間がかかります。
インターネットにて請求
「登記・供託オンライン申請システム」を利用してパソコンから請求する方法です。法務局に出向く手間がなく、手数料も少なくて済むというメリットがあります。
取得費用
どの種類の登記事項証明書を取得する場合でも手数料は同じですが、以下のように手続き方法によって金額が異なります。
| 手続き方法 | 費 用 |
| 窓口請求 | 600円 |
| オンライン請求(送付あり) | 520円 |
| オンライン請求(窓口交付) | 490円 |
※証明書としては使えませんが、インターネット上で登記情報を閲覧できる有料サービスとして「登記情報提供サービス」を活用することもできます。
4. 登記申請の注意点
登記簿謄本に記載される情報は、会社設立時や、本店の移転、役員の交代時など、重要な事由が発生した際に変更(登記申請)が必要です。 登記すべき事由が発生した場合、原則として2週間以内に登記所に申請する期限が設けられており、著しく遅れた場合は金銭的なペナルティーが発生する可能性があります。
登記簿謄本は、会社が公的な信用を得て、事業活動を円滑に進めるために必須の書類であり、各種申請や手続きの基礎となる重要な証明書です。
5. まとめ
登記簿謄本の役割は、会社の履歴や現在の情報を正確に証明することであり、これは企業経営における「信頼の裏付け」とも言えます。例えるなら、登記簿謄本は会社の公的な身分証明書であり、各種契約や取引を行う際に、相手に「私たちは確かに存在し、法的な手続きを経て事業を行っています」と示すための鍵となる重要な書類です。起業、開業をはじめ、登記すべき事由が発生した際には、迅速に提出しましょう。
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